米国財団法人野口医学研究所

TJUでの実習レポート

学生上川祐輝

2014年3月米国トーマス・ジェファーソン大学

この度、2014年3月21日から28日までの期間、アメリカのThomas Jefferson University HospitalでのClinical Skills Programに参加させて頂きました。私は、心臓血管外科に興味があり、その医師の多くは、留学をしているという事が分かり、漠然と海外に留学してみたいという思いがありました。野口医学研究所主催のセミナーに何回か参加して、アメリカに臨床留学した先生のお話を聞くうちに、是非ともアメリカでレジデントとフェローを経験したいと考えました。学生中に一度アメリカの病院で病棟実習をしたいと考えていましたが、学内での海外留学選考会に落ちてしまい、藁にもすがる思いでこのプログラムに応募させて頂きました。

私は、帰国子女でも英語が特に出来る訳でもないので行く前は、語学の面で大変不安がありました。プログラムに参加する前に医療英単語と英語での問診のやり方について学んだ事は、現地でとても助かりました。

今回のプログラムでは、Emergency Departure、Internal Medicineでの実習とシャドーイング、PediatricsとFamily MedicineのOutpatientでの実習、Skills and Simulation Centerの見学と実習、そしてDr.Majdanの講義を受けることができました。

Emergency departure、Internal Medicineでの実習とシャドーイングではただただアメリカの医学生に驚きました。日本のようにただシャドーイングをしているのではなく、患者を持ち、検査や治療を自分で考え、レジデントやアテンディングにプレゼンし、治療方針を決めていたからです。既に診断や治療方針の決まった患者さんを受け持ち、プレゼンをしているイメージが強い日本の実習とは全く違い、より研修医に近い働きでした。この経験によって私は、今後の日本の実習を受けるにあたってもっと積極的に患者さんへの診断や治療方針を自分で考えてみようと思いました。

PediatricsとFamily MedicineのOutpatientでの実習では、Thomas Jefferson Universityの医学生とともに患者さんの問診を取り、アテンディングにプレゼンし、再度アテンディングと共に問診しました。これを行うことによりアテンディングよりすぐにフィードバックが頂け、次の患者さんの時には前の反省が活かせる実りのある実習ができました。患者さんには時間をとらせてしますのですが、その分詳しく話を聞く事が出来て、聞き漏らしが少ないように感じました。

また、今回のプログラムでは、Skills and Simulation Centerでの実習とDr.Majdanの講義を受ける事が出来ました。Dr.Majdanによる機械の人形を使っての聴診のレクチャーを受け、心音の聴診のポイントを教わったり、静脈ルート、腰椎穿刺、動脈血採取等を採る練習を行いました。また、腹腔鏡下での操作のトレーニングや、胃内視鏡のトレーニング、3D画像を使っての腹腔鏡の手術のトレーニング等も行いました。最後には、現地の二年生と共に整形外科領域の身体診察について学びました。

今回のプログラムに参加する事によって、三つの収穫があったと思います。まず一つ目は、実際にアメリカで実習が出来た事によりアメリカの病院の雰囲気を味わう事が出来た。それにより、将来レジデント、フェローとして働く事により自分が成長出来ると確信した事です。二つ目に自分の英語がどの程度通じて、実際アメリカで働くまでにどれくらいの英語力が必要なのかが分かった事です。最後にEmergency Departureの実習の時についたレジデントに現地の日本人心臓外科のアテンディングを紹介して頂き、実際にお話を伺う事が出来た事です。これらの経験は、実際にアメリカの病院で実習させて頂いたからできた事であり、今回このプログラムに参加出来た事を大変嬉しく思っています。

最後になりましたが、今回このような貴重な機会を与えてくださった浅野先生を始めとする野口医学研究所の方々、特に手続きや準備をして頂いた、小山きよ枝さん、掛橋典子さん、ステロラさんには大変感謝しています。また、トーマスジェファーソン大学の方々、特に、由美子さん、ジャニスさんには感謝しています。ありがとうございました