米国財団法人野口医学研究所

Thomas Jefferson University Hospital Externship 報告

横須賀海軍病院 日本人フェロー大橋祐介

2017年9月米国トーマス・ジェファーソン大学

この度、米国財団法人野口医学研究所の御支援のもと、Thomas Jefferson University Hospitalでの内科病棟での3週間のexternshipをさせて頂きました。 研修施設は、Pennsylvania 州 Philadelphia にあり、内科に入院する患者は人種や 年齢関係なく多種多様な患者が入院し、特に日本では経験したことのない IV drug user や慢性的な opioid 中毒、そして babesiosis の患者など management などは非常

に印象的で日米の医療の違いを実感しました。 私が研修をした際のチーム構成は、attending physician が 1 人、resident

が Dr. Nimrita Sidhu の1人、内科 intern の Dr. Zaid Jonathan、精神科 intern で 内科ローテート中のDr. Brooks Derrick、3年次医学生2人と4年次医学生1人と 自身も含めるとチーム 8 人体制で、普段と比較して人数が多いようでした。 Attending physician は、1週目は Dr. Jillian Zavodnick で実質3日間のみ一緒に 勤務させて頂きましたが、とても明るく気さくな先生でした。2,3 週目は Dr. Alexis Wickershamがattendingをして下さり、round時の医学的教育のみでなく、 毎週末には自分も含めたチーム内のメンバー1 人 1 人全員に feedback の機会を設け るなど、非常に教育熱心な先生でした。

チーム内の入院患者は、平均すると 8-14 人程度の入院患者数で、医学生はそ れぞれ 2−3 人程度の患者を担当し、その上に intern が配属して医学生のカルテチェ ックやオーダー入力を確認し、resident がチーム内の患者全員を把握しつつそれぞ れの医学生・intern の指示漏れ等がないかをチェックする体制となっていました。 また、症例の management での疑問点などは、round 時に attending と discussion し 最終確認を行う形を取っていました。チーム内のメンバーは皆とても友好的で、時 間があるときには病院のカフェで談笑したり、休日の勤務には近くのお店から lunch をデリバリーしてメンバーで一緒に食べたりなど、とても居心地のいい環境 でした。

Externship の研修の大まかな 1 日の内容としては、朝 7 時頃に病院に行き、 入院患者のカルテレビューをした後、患者を pre-round して情報を整理し、8 時半頃 にカンファレンスルームに集合してチーム内の入院患者 1 人 1 人をプレゼンする所 から始まります。その後、10 時頃に病棟に行き新入院患者等を round し、その後オ ーダーやカルテ書きに入るという状況でした。初日は基本的には shadowing のみで したが、2 日目以降は患者を割り当てて頂き、朝の pre-round 及びプレゼンする機会 を頂きました。また第 2 週目以降には、担当患者の問診・身体診察のみでなく、退 院調節の為に必要な primary care physician や social worker への電話連絡、内服 薬確認のための薬局への電話の問い合わせ、電話コンサルトなどに加え、自分で作 成したassessment & planを含めたnoteを自分の上に付いてくださったinternに メールを送信してカルテ書きの参考になるようにしたり、担当症例に関連した医学 知識を医学生含めたチーム内メンバーに short lecture するなど、非常に充実した 3 週間の externship を行うことが出来ました。

最後になりましたが、野口医学研究所医学交流担当の木暮様、Jefferson Japan Center の Yumiko Radi 様と中村理映子様には大変お世話になりました。この 場をお借りして、深く感謝申し上げます。このような貴重な機会を頂くことが出来 たことも、一重に野口医学研究所、そして Thomas Jefferson University Hospital の皆様の御支援のためと、深く御礼申し上げます。