クアキニ病院における家庭医療と内科研修の体験報告
はじめに
2024年12月4日から27日までの間、ハワイ大学関連のクアキニ病院において、1週間の家庭医療(渡慶次仁一先生のご指導の下)と3週間の内科病棟診療の研修に参加しました。初めての海外での病棟内研修であり、この研修を通じて、アメリカと日本の医療制度の違いを実感し、実際にレジデントがどのようにして働いているのかを具体的にイメージすることができました
内科での研修
内科では、複数のレジデントで構成されるチームに参加し、集中治療室や一般病棟で診療を行いました。チームが担当する患者数は6~8名ほどで、肺炎、腎盂腎炎、電解質異常などの一般的な疾患から、敗血症性ショックや急性肝不全などの重症例まで幅広く対応しました。診療の流れは、朝の引継ぎから始まり、患者の状態を確認して治療方針を立てる形式が採用されていました。私はデータの確認や文献検索を行い、レジデントの補助として方針立案に関わりました。その後、上級レジデントや指導医と方針を検討し、病棟診療やカンファレンスに参加しました。昼頃には上級医が家族の送迎等で早々と帰宅してしまうこともあり、レジデントが自力で力を振り絞って患者ケアに取り掛かるところが印象的でした。効率的かつ即戦力が求められるアメリカの診療スタイルなのかなとも思いました。
家庭医療での研修
家庭医療では渡慶次仁一先生のご指導のもと、外来診療やナーシングホームでの訪問診療に参加しました。診療内容は、高血圧や糖尿病の慢性疾患管理から皮膚腫瘍の切除まで多岐にわたり、先生の豊富な知識と患者さんとの深い信頼関係に感銘を受けました。また、「海外で働く日本人医師として、自身の役割や立場を意識することが重要である」との先生の助言は、今後の医師人生における大きな指針となりました。
まとめ
今回の研修を通じて、アメリカの診療スタイルや教育システムを直接経験することができ、自分自身の診療方法を再考する良い機会となりました。また、現場での患者対応や医師としての在り方について多くの学びを得ることができました。現地での実習は具体的に自分の将来像をイメージしたり、ホームページからではわからない生の声を聞いたりすることができます。
謝辞
研修期間中にご指導いただいたクアキニ病院の皆様、特にチームメンバーや指導医の方々、そして家庭医療でのご指導を賜った渡慶次先生に心より感謝申し上げます。また、現地での研修を支えてくださったすべての方々に深く御礼申し上げます。