米国財団法人野口医学研究所

野口医学研究所臨床留学プログラム研修レポート

日本歯科大学歯科保存学講座非常勤講師永島万理子

2018年12月2日~17日アメリカ

今回、私は2018122日~17日までアメリカにある4つの歯科医院で研修をさせていただきました。私の専門は一般歯科と歯内療法(Endodontics)といういわゆる「歯の神経の治療」ということで、一般歯科を2つ、歯内療法専門の歯科医院を2つ行かせていただきました。

まず1つめは123日~6日の4日間でニューヨーク州にあるDr. Yamakiが院長をしていらっしゃるAll County Endodonticsという歯内療法専門の歯科医院を見学させていただきました。日本で歯内療法専門の歯科医院は数が少なくその治療は一般歯科で行うことがほとんどですが、一般的にアメリカでは歯内療法は専門の歯科医院に紹介することが日本より多いそうです。そのため、患者さんはほぼ全員一般歯科からの紹介で来院されていました。その中でまず私が一番驚いたのは器材が充実していたことです。日本で見たことのない器具・器材がたくさん使われていました。また、アシスタントの方々の動きがまるで機械のようにすばやく正確で、偶然一緒に見学することになった業者の方も大変驚かれていました。

2つめの歯科医院は一般歯科です。こちらはニュージャージー州にあるJ Park先生がやってらっしゃるJ Park Dentalというところで127日と8日の2日間行かせていただきました。院長先生は韓国人の方でアシスタントが日本人の方々なので、韓国人と日本人の患者さんが圧倒的に多かったです。日本と比べてアメリカでは口腔内がとてもきれい(このことを「デンタルIQが高い」と言います)なので、治療の必要な患者さんがあまりおらず、治療があったとしても小さな虫歯程度なので、1回で治療が終わることがほとんどでした。

3つめの歯科医院は同じくニュージャージー州にあるLEMOINE DENTAL GROUPといいうところで1210日と11日の2日間行かせていただきました。こちらは先生がMali先生とStephen先生の2人おり、この2人は姉と弟という関係です。お姉さんは15歳まで弟さんは5歳まで日本で育ち、アシスタントの方々は全員日本人なので、こちらの歯科医院だけが院内では日本語が使われていました。2つめの歯科医院同様、患者さんはデンタルIQが高く、治療の必要な患者さんは少なかったです。それゆえ使う器具・器材も少なく、ほとんどすべてが手の届く範囲内にあり、無駄な動きがなくていいなと思いました。日本の一般歯科では治療が多岐に渡るため、使用する器具・器材が多くあります。そのためすべて手の届く範囲内にそれらを置いておくことは不可能なため、どうしてもそれらを取りに行き準備する時間が必要になってしまいます。

4つめの歯科医院はニュージャージー州にある歯内療法専門のOh先生がいらっしゃるPractice Limited to Endodonicsという歯科医院です。こちらも1つめの歯内療法専門の歯科医院同様、紹介の患者さんばかりでした。アメリカでは各個人の加入している保険によって1年間に使うことのできる治療費が決まっているようで、私が行かせていただいた12月はその残りの治療費を使い切ろうと患者さんが集中するためとても忙しそうでした。ランチを取る間もないほどの日もありました。

また、全体の研修を通して気づいたことは、すべての歯科医院に歯科衛生士さんがいませんでした。日本では多くの歯科医院に歯科衛生士さんが勤務していますが、アメリカでは違いました。あと日本と違ったのがレントゲンに対する考え方です。日本ではレントゲン室があり、その遮蔽された空間ですべてのレントゲン撮影を行いますが、アメリカではある程度離れていれば大丈夫という考え方なので、レントゲン室はありませんでした。

今回の研修にあたり笠原先生をはじめとする野口医学研究所の皆様、快く見学を受け入れてくださったDr. Yamaki、Dr. Park、Dr. Mali、Dr. Stephen、Dr. Oh、また英語がつたなく初対面にも関わらずとても優しくしてくださった各歯科医院のスタッフの方々、ご協力いただいた日本歯科大学歯科保存学講座教授 五十嵐先生と同衛生学講座 八重垣先生に心より御礼申し上げます