Clinical Clerkship at Thomas Jefferson University
【はじめに】
9月19日から9月27日の約1週間、アメリカ·ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるThomas Jefferson Universityでクリニカルクラークシップに参加しました。以下に、今回のプログラムを通じて経験したことの一部を記します。
【Internal Medicine 回診】
Senior resident、resident、intern、医学生2名の計5人の内科チームに2日間同行させていただきました。1チームあたり12名の患者が割り当てられ、医学生にも患者が担当されていました。朝6時半からのプレラウンドでの診察、今後の方針や考察を踏まえたattending doctorへのプレゼン、その後のコメディカルスタッフへの連絡などを、医学生の立場で行っていることに大変驚きました。また、EPICという電子カルテシステムが使用されており、病院内の連絡や患者情報の共有、検査結果の通知などがスマートフォンでも簡単に行えることに驚かされました。
【JeffHOPE – Eliza Shirley】
いくつかあるシェルターのうち、女性と子供たちのためのシェルターでのボランティア活動に同行しました。シェルター利用者の体調不良の訴えを医学生が診察したり、日用品や薬を配布するなどの活動を行っていました。このようなボランティアは日本ではあまり馴染みがなく、とても良い経験となりました。JeffHOPEを通じて、現地の医学生とも多く交流でき、充実した時間を過ごすことができました。
【Emergency Medicine】
アメリカの救急医療の現場は、日本と比較して非常にカオスでした。特に忙しいシフトに当たったようで、短い時間ながらも多くの症例を経験することができました。Dr. Wayne Bond Lauから、「人はその時にどう感じたかを覚えているので、医学的に正しい対応をするだけでなく、常に尊敬と敬意を持って接することが医師として最も重要である」という言葉をいただき、先生の患者さんへの接し方から多くを学びました。
【Outpatient (Orthopaedic, Family Medicine, Pediatrics)】
整形外科、家庭医療、小児科の外来を見学させていただきました。医療専門職の多さに起因する完全分業制や、スマートフォンを使ったカルテの音声入力、テレヘルスの確立など、業務の効率化が非常に積極的に行われていると感じました。将来的な選択肢の一つである整形外科や、日本ではあまり馴染みのない家庭医療の現場を見ることができ、非常に有意義でした。
【Lecture】
·Lecture about the U.S. Healthcare System
米国の医療保険制度について学びました。非常に高額かつ複雑で、資本主義·個人主義文化が医療システムにも反映されていると感じました。
·Cardiac Exam Using Harvey, Approach to the H&P
個人的に苦手としている心音の聴診を、短時間で系統的に学ぶことができました。また、模擬患者を使った問診練習を通じて、自分の問診の抜け落ちに気づくことができました。
【The city of Philadelphia】
フィラデルフィアはアメリカの歴史を語る上で欠かせない都市であり、歴史的なスポットや博物館·美術館が充実しており、非常に勉強になりました。また、映画『ロッキー』の舞台としても有名なフィラデルフィア美術館の階段周辺では、多くの人がトレーニングやランニングをしており、いつかフィラデルフィアマラソンにも出場してみたいと思いました。
【謝辞】
最後になりましたが、本プログラムの参加にあたり、多大なるご支援をいただきました、野口医学研究所の佐藤隆美先生、Michael Kenny様、堤大造様、木暮貴子様、掛橋典子様、中条真悠様、香月あゆみ様、三宅香連様、TJU Japan Centerのラディ由美子様、Vincent Gleizer様、Dr. Charles Pohl、また、現地でご指導いただいたDr. Akiko Kawai、Dr. Mizue Terai、Dr. Margules、Dr. Hayley Barker、Dr. Daniel Davis、Dr. Wayne Bond Lau、Dr. Joseph Majdan、Dr. Christine Hsieh、Dr. Tomoki Sakataに心より感謝申し上げます。このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。