米国財団法人野口医学研究所

プログラムを通じて学んだこと、気づいたこと

金沢医科大学5年面美来

2022年3月オンライン開催

野口医学研究所トーマスジェファーソン大学プログラム レポート

このプログラムを通じて学んだこと、気づいたことは数知れないのですが、自分にとって一番大きな気づきについて書きたいと思います。それはパッションと行動力、継続力があれば米国でも臨床医になり社会貢献をする夢は叶うということです。

私が米国で医師をしようと決めたのは2年前でした。丁度新型コロナウイルスの感染が拡大し、Zoomが普及したことで、米国で臨床をされた日本人医師のご講演に遠隔で参加できるようになりました。多くの先生方の講演をお聞きしているうちに米国でInternal Medicine and Pediatrics Residency を経てトランジショナルケアや思春期医療に従事する医師になりたいと思うようになりました。しかしそれは、大変長く険しい道のように感じました。USMLEの受験、課外活動、CVPS、米国での臨床経験、推薦状、マッチングへの参加、面接、そしてレジデンシー、フェローシップ。高い壁の連続で、自分にできるのか不安に思っていました。しかしこのプログラムに参加して米国の医療について知り、目標を達成するためにやるべきことが明確になり、切磋琢磨できる仲間を見つけられたことでモチベーションが上がり、自ずと不安がなくなりました。そしてパッションと行動力、継続力があれば米国で臨床医になる夢は実現可能であるということに気づくことができました。

3日間のプログラムにおいて数々のセッションに参加しました。内容は多岐に渡り、米国の医学教育、レジデンシーの応募、ディスカッション、グラウンドラウンド、循環器の講義、医療面接の行い方などあり、どれも大変興味深かったです。どのセッションにも共通することとして、スピーカーの方は皆、何かしらの強いパッションをお持ちで、それを原動力に医学を通して社会にいい影響を与えようとしていらっしゃいました。逆境があってもパッションで立ち向かい、結果が出なくても諦めずに努力を続けることを皆さん実践されていました。その姿勢が大変印象的でした。その姿を見て、大変な道のりであっても、目標から逆算して計画的にコツコツと努力をし、社会にどう貢献したいのかを見据えてパッションを失わなければ、成し遂げられないことはないということに気づくことができました。このプログラムのお陰で以前まであった不安は去り、自分が今できることを1つ1つやっていこうという前向きな気持ちになることができました。これからは困難なことがあってもこの気づきを胸に、自信を持って前に進んでいきたいと思います。

最後になりましたがこのプログラムを企画してくださった野口医学研究所の関係者の皆様、トーマスジェファーソン大学の関係者の皆様、本当にありがとうございました。また一緒に参加した同期の皆様、楽しく、有意義な時間をありがとうございます。この3日間で学んだことを大切にこれからも精進していきたいと思います。

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Professionalism と Compassion について何を学び、
その学びを将来へどのように生かすことができるのか


Medicine is an art based on scienceという言葉を中心にProfessionalismCompassionついて深く考える3日間となりました。

医学部に入学すると医学という知識的学問については詳しく学びますが、医療というアート的な人間味あるケアの側面についてはあまり触れないと感じます。しかし医師として働く際は、どちらも同じくらい大切な要素で両方を兼ね備える必要があると感じます。今まで、自分が提供したい医療について考える機会があまりなかったのですが、このプログラムで様々な方のお話をお聞きすることでじっくり考えることができた貴重な機会でした。

このプログラムに参加する前まで、医師という仕事において自分のindividualityをどう表現するか悩むことがありました。どの医者が診てもほぼ同じ診断や治療になる医学において、果たして自分が医師でなければいけない理由はあるのか、自分がいることで何か新たな付加価値を供することができるのだろうか考えることがありました。しかしこの研修を通して診断をして治療をすることだけが医師の仕事ではないということを改めて感じました。医療に従事する際や、患者とコミュニケーションを取る時などあらゆる場面でProfessionalismCompassionをどう体現するかで自分らしさを発揮する機会があり、患者や他の医療従事者との信頼関係を築く上で極めて重要だと感じました。

トーマスジェファーソン大学が特にMedicine is an art based on scienceを大切にしていると印象に残ったのはグラウンドラウンドを見学した時です。3回分のグラウンドラウンドを見学することができたのですが全ての回で歴史や社会情勢、環境問題を踏まえた上で医学、医療の話をされていたことが大変印象的でした。最初から医学を話すのではなく、時代の変遷に触れ、公衆衛生の視点を取り入れながらプレゼンテーションをされていました。また患者のSocial Determinants of Health を念頭に最善のアプローチや時には啓発を行われており、患者を治療するだけではなく、医師の専門範囲を超えて、より良い社会になるよう枠組みに捉われず積極的に行動されていることが大変刺激的でした。医学に詳しいだけでなく社会や歴史まで目を向けて行動して初めてProfessionalであり、患者に寄り添って治療をするだけでなく、社会復帰まで見届け、さらに社会全体の予防のために啓発活動までやって初めてCompassionであるということに気づかされました。私も真に患者の力になりそして社会にも貢献できる医師になれるようにこのことを肝に銘じて臨床に携わっていきたいと思います。患者を取り巻くSocial Determinants of Healthを踏まえて医療を提供し、社会全体に向けてアドボカシーができる医師になります。