野口オンラインプログラム
このたび、野口医学研究所主催のClinical Clerkship(Virtual)に参加させていただきました。私は将来、米国で腫瘍内科医になりたいと考えていて今回のプログラムに参加させていただきました。
3日間に及ぶオンラインプログラムはその内容がとてもねられていて大変学びの多い3日間を過ごすことができました。最初のセッションではトーマスジェファーソンの先生から米国の医学教育、医学生の病院実習での役割などを直接聞くことができ、米国と日本の医学生の差を感じました。
また、実際に米国レジデンシーにマッチするには長く険しい道のりがありますが、その苦難を乗り越えるためのUSMLE勉強法、インタビューでのお作法、PS・CVの書き方など様々なことを教えていただきました。さらにはトーマスジェファーソンのレジデントの先生方と直接お話しすることができ、レジデンシーの内容を知ることがきました。忙しい中でもオンオフがしっかり分かれている生活を送られていて理想的だと思いました。
様々なトピックに関するレクチャーの中で一番印象に残ったのは日米両国で活躍されているOncologyの先生のレクチャーでした。まさに自分が目標としているInternal Medicineのレジデンシー&Oncologyのフェローシップのお話をお聞きすることができ、大変興味深かったです。Internal Medicineのレジデンシーでは幅広い疾患に関して学ぶことができ、それがOncologistになった際に役立つこと、Oncologyのフェローシップでは様々ながんについて学び、さらには数多くの臨床研究に関わることができ医学の発展に貢献できる点など大変魅力的なお話をお聞きすることができました。
各曜日、レクチャー後にはトーマスジェファーソンのInternal Medicine Groundsにも参加させていただきました。実際にレジデントの先生方が受けているものを聴講することができ、そのトピックの豊富さに驚きました。また、レジデントに求められている英語力はとても高いレベルのものだと再認識することができました。
最後になりますが、このような学びの多いオンラインプログラムを提供してくださり、野口医学研究所、トーマスジェファーソン大学の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
ProfessionalismとCompassionについて
今回のプログラムではプロフェッショナリズムに関するレクチャーもありました。医師のプロフェッショナリズムは医師になる上で最も根本的なことであると同時に医学生として学ぶ機会が多くなく曖昧な理解になってしまいやすい分野だと思います。このレクチャーの中では学生が1人ずつ将来目標とする医師像を話していき、自分の将来像を確認するとともに同期のみんながどのように考えているかを知ることができました。そこで自分にはなかった考え方を学ぶことができました。
特にプロフェッショナリズムの1つであるcompassion、つまり「医師は医療を受ける人々の人格を尊重し,優しい心で接するともに,医療内容についてよく説明し,信頼を得るように努める」という利他的な姿勢は医師としてあるべき姿であると考えます。病気を患っている患者さんはその病気に対する悩み、治療による副作用の悩み、先の見通せない将来への悩みなど多くの感情を抱きます。その中で、日々の診療を流れ作業のように行うのではなく時間が許す限り患者さんと会話をし、良き関係性を築き、それぞれの患者さんが考えていることに思いを巡らすことがプロフェッショナリズムであるcompassionであると認識しており、将来そのような医師になりたいと思います。
私たち学生はこれから学ばなければならない医学知識がたくさんあります。その過程では医療倫理やプロフェッショナリズムに注意を払えなくなってしまうことがあるかもしれません。そんな時でも、今回習ったことを思い出し、時間のある学生の間に考えていた理想の医師像に近づくことができているのかを再確認しながら一歩一歩進んでいければと思います。