米国財団法人野口医学研究所

The report of the clinical skills program at Thomas Jefferson University

学生濵名香野

2017年3月米国トーマス・ジェファーソン大学

まず、トーマス・ジェファーソン大学(TJU)と野口医学研究所(NJU)のスタッフの方々の暖かい支援に対して、心から感謝の意を示したいと思います。

トーマス・ジェファーソン大学の臨床スキル・プログラムでは、米国の医療制度が、救急医療、内科、小児科、家庭医学、そしてボランティア活動(JeffHOPE)においてどのように行われているかを見させていただくという、大変貴重な機会を得ました。さらに、私たちは、Dr.MajdanDr.GonnellaDr.Wayneの素晴らしい講義にも参加させていただくことができました。

これらすべてのことが目まぐるしく一週間で行われたのだと思うと驚くばかりですが、どれも日本では今まで経験したことがなく、決して忘れることのないように心の奥深くに強く刻み付けて、私は日本に帰国しました。こうした体験がきっと将来のキャリアの指針になるだろう、と確信しています。

では、この集中的なプログラムの中で私が学んだことをいくつか以下に述べたいと思います。

 

救急医療

私たちは一人のレジデントにつき、患者の診察をシャドーイングさせていただきました。女性のレジデントであったDr. Okugoは教育的で知的なレジデントでした。彼女はバイタルとわずかな現病歴の情報に基づいて、体系的に外来患者の問診、および身体診察を行いました。その後、Up To Dateや多くのcriteriaを使って電子カルテを書いて、指導医のDr. Gaieskiにプレゼンテーションを行っていました。私は米国の医療制度がいかに体系的であるかに驚きました。

さらに、私は胸痛を主訴に来院されていた1人の患者さんに問診をすることができました。私は本当に丁寧に問診をとっていきました。すると、彼女はわたしの敬意を感じ取ってくれたのか、感謝の手紙を書いてくれました。このように患者から手紙を受け取るのは初めての経験で、私は大変嬉しく思いました。臨床的な推論をマスターし、適切な治療を行うだけでなく、患者の心までを丁寧にケアできる医者になることを強く心に決めました。

 

 

外来患者からの感謝の手紙

 

内科

内科では、三年目のレジデントの医師であるDr. Vershvovskyのグループにつき、朝カンファレンスや回診に参加することができました。このプログラムに参加する前に、米国の教育制度は日本の教育制度よりも優れていると言われていたため、日米間の医療教育システムがどのように違っているのか、この目で見たいと思っていました。実際、アメリカの医師は、エビデンスや研究に基づいたガイドラインに従い指導することで、標準的な臨床的スキルをレジデント1年目の医師でも維持していました。対照的に、日本では医師は経験則に基づいた独自の方法で教育を行っています。私は米国にもう一度戻ってきたい、そのためにもっと勉強しなければならない、と強く心に誓いました。

また、鎌状赤血球症やAIDSなど日本ではほとんど経験していない症例もありました。日本でこれらの病気をもう一度見ることがあれば、この経験が役立つことになるでしょう。

 

Dr. Wayneの講義/ JeffHOPE

フィラデルフィアのチャイナタウンで無料のクリニックを開いているDr. Wayneの講義を聞いてから、ボランティア活動に対する興味がかなり出てきたので、JeffHOPEに参加するのは絶好の機会だと思いました。JeffHOPEとは、ホームレスに無料の医療サービスを提供するというボランティア活動です。フィラデルフィアでは、ホームレスはワンブロック歩いたら見つかるというほどたくさんいますが、日本では比較的まれですので、この経験は大変貴重なものでした。

JeffHOPEは、避難所のホームレス患者だけでなく、ボランティア活動に参加する人々にとっても価値があります。アメリカの医学生にとっては、学生でも臨床的な推論スキルを実践できる貴重な場です。さらに、臨床の場に行く前に医者になる意識を高めてくれるきっかけにもなると感じました。

私は大学で臨床スキルを勉強するグループに参加しています。私の後輩たちに、この活動を通して学んだことをぜひ伝えたいと思いましたし、このような活動を日本でも広めていけたらいいと感じました。

アメリカの医学生は、JeffHOPEを通して臨床的な推論スキルを向上させることができる。

 

輝く将来に向けて

このプログラムに参加したことで、将来私は医者として何をすべきかの展望を描くことができるようになりました。 具体的には、今回のプログラムで出会えたDr.MajdanDr. Dr.GonnellaDr.Wayneのような患者にとっても医学生にとっても素晴らしい人間性の溢れる医師として、アメリカで働いていきたいと強く思うようになりました。 もちろん、その前にやらなければならない困難な問題が残ってはいますが、私は多大な努力でそれらを克服して、自分の能力を世界で試してみたいです。 最初のステップとして、私はUSMLEを取る準備をはじめました。

  最後になりましたが、TJUと野口医学研究所のすべてのスタッフの方々の熱心なサポートがなければ、今回の体験は得られませんでした。素晴らしい方々との出会いに非常に感謝しています。ありがとうございました。

外来患者からの感謝の手紙 外来患者からの感謝の手紙