米国財団法人野口医学研究所

米国医学研修報告書

学生生田源起

2017年3月米国トーマス・ジェファーソン大学

  • 実施した活動内容

野口医学研究所によるプログラムを通して、アメリカのフィラデルフィアにあるトーマス・ジェファーソン大学の附属病院にて実際の医療の現場を見学致しました。見学を行った分野としましては、一般内科、救急外来を一日、総合診療、小児科を半日ずつ行いました。一般内科では朝の論文抄読会やカンファレンス、回診などに参加させて頂き、その後はレジデントや現地の医学生をシャドーイングさせて頂く形となりました。救急外来ではレジデントの先生が診察し、トリアージをしているのを見学しました。総合診療では主にfollow-upの患者さんを診させていただきました。血圧の測定などもさせて頂きました。小児科では現地の医学部の3年生(日本の5年生に相当)をシャドーイングさせて頂きました。

 

週の後半の午後は講義が行われました。内容と

致しましては、臨床推論の仕方(特に心電図や爪

の形状等に焦点を絞って行われました。)、患者さ

んに接する際の姿勢などを動画やスライドを用い

て行われました。その後、実際に人型の専用の機

械を用いて心音の聴取や触診なども行いました。

さらに、内視鏡や腹腔鏡、ダビンチなどを練習す

るための最新の機械を用いて、手技の練習も行い

ました。

 

火曜の夜にはJeffHOPEと呼ばれるボランティア活動も行いました。

JeffHOPEはトーマス・ジェファーソン大学の医学生とコメディカルの

方たち、内科医の合計20名ほどからなる団体で、フィラデルフィア

郊外にて無料で診療を行っており、診察ののち、検査や軽い治療など

を行いました。

 

  • 得られた成果

アメリカの大学の病院にて実際に行われている医療活動の見学を行うことで、アメリカの医療と日本の医療の違いを比べる事ができました。また、アメリカの医学生がどこまで患者さんを任されているかを知る事ができ、日本の医学生のレベルを知る事ができました。また、実際のアメリカの医学生と話す事で、アメリカの医学生がどのような経緯で医師になるのか、普段どのような事を考えているのか、どの程度勉強を行っているか等を聞く事ができ、自分の日本での生活に少しでも還元しようと思いました。また、自分以外にも日本や中国から医学生が見学に来ていたこともあり、彼らと臨床留学に関する情報等を交換できた事も非常に有益だったと思います。プログラムはすべて英語で行われたため、英語のリスニングの能力が向上したのは勿論の事、講義の後や診療の際に自分の意見を求められる事が何度かあり、一般英語に加え、医療英語を用いて話す事が出来たので、さらに自分の英語力に自信を持てるようになったと思います。また、フィラデルフィア大学病院で働く日本人ドクターと実際にお話しする機会があったので、国際的な医師になる上でのモチベーションになったと思います。

 

  • 今後の課題

英語力の向上は勿論の事、USMLEの受験など、臨床留学をする上で成し遂げなければならない事が多数ある事が分かったので、それらを考えながら残りの大学生活を送ろうと思いました。実際にネイティブの方と話をすると、言葉が聞き取れない事や伝えたい事が伝わらない事が多く、医学の勉強をする傍ら、英語の勉強も続けようと思いました。また、他大学の医学生と同じ寮に宿泊して、10日間程共に行動する事でいろいろ感じる事がありました。彼らの医学に対する意識は非常に高く、勉強時間を削ってまでしてクリクラ等で海外に行くチャンスを得ていたので、自分も見習わなければならないと思いました。