米国財団法人野口医学研究所

留学報告書

学生佐藤力

2016年3月ハワイ大学

この度、3/73/11の期間に野口医学研究所からハワイ大学(John A. Burns School of Medicine)の方のワークショップに参加させて頂きました。

 

今回の留学では、数々の貴重な体験を沢山させて頂き本当に有難うございました。

その中でも特に心に残っていることを中心に何点かに絞って書かせて頂きます。

 

まず、金曜日に行われた問診についてです。問診は5年生の自分としては、4年生のOSCE実習に始まり、その後も5年生のクリニカルクラークシップにおいても何度か行う機会があり、自分なりに確立されてきているなと考えていましたが、実際に英語で行うとなると、例えば、聴診で呼吸音を観察する際に日本語で言うような、「大丈夫ですよ。そのまま続けてください」や全ての診察を終えた後の「結構です。」といった繋ぎの会話が、うまく言えず無口になってしまい、患者さん側から、大丈夫かどうか確認されてしまうということがありました。日本語では当たり前にできていたことが英語で行うことがどれだけ難しいか痛感しました。

 

次にPBL(program based learning)というものを現地で実際に受けることができました。

これは、大阪医科大学では3.4年生時に実際行われているものではあるのですが、やはり現地の本物のPBLは勉強になりました。

様々な理由を考えましたが、一番大きなポイントは、アメリカと日本において問診を重要視している割合がかなり違うのではないかという部分がありました。日本では、特に医学生の間では、ラボデータによって確定診断をつけることを重要視したがる、という傾向があるように思います。実際、研修医の先生方は、ラボデータが好きな先生が多い印象があります。

しかし、アメリカでは問診だけで約8割程度診断をつけることを最も重要視しており、問診、仮説、身体診察において、もう鑑別が上がらないと絞りきるまで、ラボデータは絶対に教えてくれません。その問診に対する姿勢の違いが、つまりあらゆる可能性を出し尽くすことを毎回きちんと行うことが出来ているかどうかがPBLの真髄であると思いました。

 

真面目な勉強はもちろんのこと、ハワイならではの、お楽しみの要素もたくさんありましたので、紹介させて頂きます。

 

まず、アイスブレーキングとして毎朝、ディレクターのDr.Sakai10分程度、面白いお話をして下さるところも、ハワイらしさを感じることができて良かったなと思いました。

love storyとshark storyは必聴です。

 

また、文化活動(cultural activity)という授業があり、なんとフラダンスを踊ります。

問診実習の後に行われ、ダンス未経験の私でも楽しむことができました。

 

全体を通じて振り返ってみると、留学以前は5年生にとっては簡単な内容が多いのではと考えていましたが、実際は、そのような内容も英語で掘り下げてみると十分には理解していなかった部分も大きく、大変勉強になりました。

最後に、自分の大学や野口財団の方だけでなく、他大学からもたくさんの方が参加されており、とても刺激になりました。違ったバックグラウンドを持った方々と医学留学という共通項を通じて知り合え、様々な考え方、目線を共有できたのはいい経験になったと思います。毎晩楽しくご飯を一緒に食べたり、たくさん話をした事は一生の宝物です。

 

今回、このような留学の機会を与えて、またサポートして下さった、ステロラさんをはじめとした野口医学研究所の皆様方に心より感謝申し上げます。又、面白い授業、為になる授業をうまく織り交ぜて提供してくださったハワイ大学の先生方、本当に有難うございました。